網膜剥離との闘いの記録

右目は裂孔原性網膜剥離で、網膜光凝固術(以下、レーザー網膜光凝固術)と網膜復位術(以下、強膜バックリング手術)を受けました。左目は格子状網膜変性で、レーザー網膜光凝固術を受けました。ここでは網膜剥離について、わたしが体験したことを記録しています。
※わたしは医療従事者ではありません。知識もないです。単なる体験談、個人的な見解ですので、あしからず。


網膜剥離との闘いのはじまり

右目に黒い点が見えはじめました。
すぐに「飛蚊症」と気が付きました。
偶然にも妻から「飛蚊症が気になって眼科にいったら、網膜剥離寸前だった」という話を聞いたばかりだったのですが、医者に行くのが面倒で放置していました。

そのうち「何か見づらいな」と感じはじめました。
左目を手で隠して細かい字を見ると、視野の一部が欠けていたことに気が付きました。



「これはヤバいんじゃないの? 医者にいこう」と思っているうちに、つぎのようになりました。



すぐに眼科にいきました。
結果は、「網膜に穴があいている。穴から出てくる液体で網膜が押し上げられている」と写真を見せながら言われて、確かに網膜は押し上げられていました。
コミュニケーションが苦手そうな先生だったので、病名は聞き取れず「中心」「剥離」と断片的なキーワードしか聞こえませんでした。

ただ、「紹介状を書くので、すぐに医療センターにいってください。緊急です」は、ハッキリ聞こえました。

しかし、医療センターの予約がとれず、1か月ほど先の予約になりました。
医療センターの診察日まで待っていると、だんだんと症状がよくなってきました。もう気にならないレベルへ。

そして、医療センターにいくと、若そうな女医が「異常ありません」とのこと。

・加齢で網膜が剥がれていくらしい
・それで剥がれた網膜が悪さをして一部、見えなくなったのではないか

このような感じのことを言われました。

そして「また同じような症状になるかもしれない」とも言われました。

…ここできちんとした眼科医に見てもらっていれば、と悔やまれます。

眼底検査(散瞳剤)の際にはサングラスを持っていくのがお勧め

参考までに――。

眼底検査の際、散瞳剤という目薬をさします。
部屋の中だと「視界がぼんやりするなー」くらいですが、外に出るとまぶしい!!!

わたしは目を細めながら、ゆっくり歩いて帰りましたが、結構、大変でした。
サングラスがあるといいそうなので、「つぎこそサングラスを買おう!」と思いつつ、結局、サングラスはまだ買いませんでしたが、サングラスは持っていったほうがいいと思います。

ちなみに、サングラスをしても車の運転はできないと思います。
あと、眼底検査の後、コンタクトをしていいか聞いたらOKでした。コンタクトをしても、まぶしいのは変わらないですけどね(本当にコンタクトをしていいかどうか、眼科医に確かめてください)。

右目が、いきなり砂嵐!

何事もなく、時が過ぎていきました。
しかし、ある日いきなり飛蚊症が復活しました。
単なる飛蚊症ではありません。
今までに見たことがない「砂嵐」と「大きな黒い虫」が出てきました。



砂嵐とどこまでも追ってくる大きな黒い虫。
普通なら即、眼科ですが、「これがあの女医が言っていた加齢によるものか」と思ってしまい、そのままにしてしまいました。
「また同じ症状になる」と医者に言われたら、「これがそうなのか」と思ってしまいますよね。

しかし、ついに鼻のあたりの視野が欠損しました。



これは流石にヤバいと思い、ふたたび医療センターに行きました。
前とは違う医者で、その医者によると「裂孔原性網膜剥離です! もう眼も動かさず、安静にしてください! 左目も動かしてはいけません! 緊急手術してください!」とのことでした。

で、いくつか病院に電話してくれて、とある眼科が手術を受け入れ可能とのことだったので、医療センターからタクシーを飛ばして指定された眼科にいきました。

右目は裂孔原性網膜剥離で、レーザー網膜光凝固術と強膜バックリング手術!

紹介された眼科にて、ふたたび検査をしました。
結果は、網膜の4か所に穴があいているとのことでした。
裂孔原性網膜剥離ですね。
で、穴のうち2か所はレーザー網膜光凝固術で治療できるものの、残りの2か所は穴が大きくて強膜バックリング手術が必要とのことでした。


「手術しますか?」

眼科医に、そう聞かれましたが、頭のなかは疑問だらけ。
何が何だかわかりませんでしたが、医療センターの医師による「もう眼も動かさず、安静にしてください! 左目も動かしてはいけません! 緊急手術してください!」という言葉が脳裏をよぎり、何より、実際に視野が欠けていたので、「手術します!」としか言えませんでした。

というわけで、その日のうちに2つの手術を受けました。

レーザー網膜光凝固術の流れと感想

まずは、レーザー網膜光凝固術の流れ。

・麻酔の点眼をしました。しみましたが麻酔が効いてくると何も感じなくなりました。
・眼科医がコンタクトみたいなものをつけてくれました。感触はガラスのようなひんやりとした固いものでした。
・あとは強烈な光がピカピカ感じるだけでした(人によっては痛みがあるそうです)。

感想は、コンタクトをつける感覚で、あとは「チクチクしたかな?」という程度のものでした。
楽勝。

強膜バックリング手術の流れと感想

つぎに、強膜バックリング手術の流れ。

<手術の概要>
・リクライニングシートみたいな手術台に仰向けで横たわる
・右目だけあいている布みたいなものを被せられる
・先生が近づいてきて、眼に何かを入れるのが見える
・先生が何かを動かす度に、視野がぐにゃぐにゃ歪む
・そして、プツンと視野が真っ暗になる
・目の奥をグリグリされている、今までに味わったことがない痛みを感じる(人によって痛さが変わるらしい。わたしは痛かった!)
・「痛いです!」で、麻酔を増量。限界までの麻酔でなんとか我慢ができるレベルの痛みへ。
・だんだん首が痛くなる(リクライニングの姿勢とはいえ、ずっと同じ姿勢なので首が痛くなってきました)
・なんとか手術は終了!

メンタルがやられました…。
強膜バックリング手術、二度とごめんです 笑

限度額適用認定証と、鬼の市役所!

会計の前に、看護師が「限度額適用認定証」のことを話してくれました。
市役所に申請するそうです。
わたしはそれどころではなかったので、病院を出てから妻に電話して市役所に問い合わせてもらいました。

すると、「申請は今日中ではないといけない」とのことで。
必要なものは、わたしが持っている国民健康保険証と家にあるハンコ。
時計を見ると16時。

妻がハンコ、わたしが保険証を持って市役所で合流することにしました。
右目は腫れ上がり、血の涙が流れ落ちていて、安静にしないといけないのに、市役所へ。

「手術の直後に鬼か!」

そう思いません?
なんとか無事に妻と合流できて、限度額適用認定証も入手しました。

帰宅後、つぶれた右目と歪んだ視界で憂鬱になる…

帰宅後、すぐに横になりました。
うっすらと、ですが、ようやく眼が開きました。
しかし――。

・左目で見えるものよりも、かなり小さく見える…(10分の1くらいの大きさ)
・45°くらい歪んで見える…。
・色もおかしい…。

「これじゃあ、見えても意味ないじゃん…」と思いつつ、とりあえず寝ました。

翌朝、鏡の前で、うっすら目を開いてみました。
すると、真っ赤で、つぶれた目が見えました…。
まるでイチゴのような目…。

「うん、うん、わかった! もう見ないでおこう!」と思って、鏡で目を見るのを封印しました 笑

翌日の診察の帰り、階段を踏み外して足首の捻挫…

翌日、眼科にいきました。
行きは妻に車で送ってもらいましたが、帰りは独りでも大丈夫と思って電車で帰ったのが運の尽き。

階段を思いっきりふみ外して、足首を捻挫しました…。

「遠視の左目」「視野が狭くなる保護ゴーグル」で細心の注意を払うべきでしたが、完全に油断していました。
なんとか帰ることはできましたが、帰宅後が大変でした。

まったく歩けませんでしたから。

激しい運動をしてはいけないのに、匍匐前進のような移動。
幸いにも網膜のほうには影響がなかったようですが(後日の検査で順調と言われたためです)、今から思うとゾッとします。

左目も、か…。レーザー網膜光凝固術の決意をする

強膜バックリング手術から1か月が経ちました。
抜糸もして、目もだいぶん回復しました。
このころから鏡で目の中を見るようになりましたが、まず気になったのが、青っぽい糸くずのようなもの。
ここには痛みもありました。
「縫合糸かな。きっと溶けるよね?」と思っていて、診察に行ったときに眼科医に聞くと実際そうでした。
で、痛みがあると言ったら、ピンセットでとってくれました。

これは無事解決したのですが、眼科医から恐ろしい言葉が…。

「左目の網膜も薄くなっているところがある。今ではないけど、レーザー治療をしたほうがいいかもしれない」

帰宅後、考えました。
「医者も商売。設備投資に多大なお金がかかっているので、手術したいだけかもしれない。いや、待て! レーザー治療しないと、あの手術が…」などと。

しかし、一気に迷いが吹っ切れました。
左目でも飛蚊症が出はじめたのです。
眼科医が言ったことは、本当だと確信しました。


強膜バックリング手術への否定的な見解を知って憂鬱に…

レーザー網膜光凝固術の話と同時期、鏡を見ていると、一か所、白目がかなり膨らんでいるところがありました。
強膜バックリング手術の後遺症として「バックリング素材の露出」があったので、「早速露出しはじめているのかな…」と不安になりはじめて、検索。

医者のHPしか出てきませんでしたが、検索キーワードを変えているうちに、個人のブログ、書きこみなどを見つけました。

そこには強膜バックリング手術への否定的な意見がずらりと…。

たとえば「視界の歪みで悩んでいる」「複視で悩んでいる」「斜視になるかもしれない」「悪くなることはあっても良くなることはない」「再発のリスクがある」「顔、目のあたりを強打するとバックルがズレて再発する」「バックリング手術だと網膜がボロボロ」など…。

硝子体手術をすれば、ともありましたが、子どもが小さいので入院できませんし、何よりずっとうつ伏せの体勢だそうで…。
当分、無理!

ちなみに、白目のふくらみの正体は、左目の手術の際に明らかになりました(下記)。

左目は格子状網膜変性で、レーザー網膜光凝固術

つぎの2点で、左目もレーザー網膜光凝固術を受けることにしました。

・右目の裂孔原性網膜剥離
・強い近眼
・網膜に薄いところがある

で、レーザー網膜光凝固術ですが、上記の通り、「ガラスのコンタクトをつけるような感じ(麻酔が効いているので痛みはありませんでした)」「強烈な光がピカピカする(人によって痛みがあるそうですが、わたしは痛みなし)」でした。

で、インフォームド・コンセントの書類を見ると「格子状網膜変性」とありました。
帰宅後、ググると「網膜の薄いところがある」「網膜剥離のリスクがある場合はレーザー網膜光凝固術もあり」とありました。
まあ、手術しておいてよかったな、と。

ちなみに、右目の白目にかなり膨らんでいるところがありますが、眼科医に聞いたところ、やはりバックリング素材の影響でした。
具体的には、シリコンが白目を押し上げているとのことでした。

「このままでも大丈夫ですか? → 大丈夫。ズラすと網膜剥離が再発する」とのことでした。

うーん。
本当なのかな。
ここだけは心配です。

※ここまでが現在までの流れです。何かあれば追記していきます。追記がなければ何もないということです。
※追記。2021年、手術から2年ですが、何も問題ありません。

瞼裂斑(けんれつはん)。片目コンタクトで脳が余計な合成 笑

右目の白目にできものが、できました。
心配になって検索すると「瞼裂斑(けんれつはん)」というもので、見た目の問題だとわかり一安心!

で、白目のできものは、ちょうどコンタクトと当たるか当たらないかの位置で、すこし当たっているようですが、痛みも異物感もないので、コンタクトをつけても問題なさそうなのですが、充血してしまいます。

眼鏡にしたほうがいいとは思うのですが、長く眼鏡をしていられません。
そこで、車の運転は仕方がないとしても仕事や家にいるときは、片目だけコンタクトをいれているのですが…。

脳が、見えない右目の飛蚊症も合成します 笑
※左の写真は左目、右の写真は右目の視界。



余計な合成ですよね 笑

失明のリスクと闘いながら子どもへの教育!

裂孔原性網膜剥離から失明する確率は数パーセントほどらしいです。
他のことならば「90数パンセントは失明しないってことだから、大丈夫!」という考え方をしたと思いますが…。

網膜剥離は1万人の1人の確率だそうです。
つまり、ハズレが0.01%のクジで、見事、ハズレを2回引いたわけです。
※両目なので2回

網膜剥離に関しては、確率が低いから云々の話はもう信じられません。

それに、癌の5年後生存率のような、長期スパンのデータは見当たりませんでした。
「ここ数年は大丈夫でもひょっとして…」と思わなくもないです。

というわけで「今、当たり前にあるものも、いつかなくなるかもしれない」と覚悟しました。
ただ、気になるのは、子どもたち。
万が一、光を失う日が来たとしても、それまでに子どもたちへの教育だけは済ませておきたいと考えています。
そんなクソ重い気持ちがある中学受験に関するサイトです 笑

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