中学受験と漢字検定の関係

中学受験をするうえで、漢字検定の勉強をさせたほうがいいのでしょうか。
中学受験と漢字検定の関係について書いています。


中学受験における漢字検定のメリット

学習習慣が身につくので、何であれ子どもに勉強させるのは良いことだと思います。
ただ、中学受験を視野にいれると話は変わります。
中学受験の勉強量はとても多くて子どもに多大な負担がかかるので、無駄な勉強は避けたほうがいいと思います。
では、漢字検定は中学受験に役立つのでしょうか。
中学受験において、漢字検定にはどのようなメリットとデメリットがあるのか考察してみました。

先取り学習の障害を取り除くことができる!

算数の先取り学習が進んでくると、ひっかかるところがあります。
それは算数ではありません。
漢字と言葉の意味です。

算数だけではありません。
息子は生き物に強い関心があって、常日頃から「理科の勉強をしたい」と言っているので、試しに教えたことがあります。
そのときも、漢字がネックになって、先に進めない、いや、先に進めなくはないですが、効率がかなり悪いと感じました。

たとえば、「単眼と複眼」。
単数と複数の意味を知っている大人にとっては、「漢字から意味を類推」「意味から漢字を類推」の両方ができますが、息子はそれができないので暗記に時間がかかりましたし、記憶の定着もよくなかったです。

ほかにも「光合成」「食物連鎖」もそうですよね。
大人は漢字の意味を知っているからこそ、こういう言葉の意味もすぐに暗記できるわけです。

というわけで、漢字や言葉の意味はどの科目でも必要なので、漢字検定で漢字の勉強をさせるのは意味があると思います。

意外に時間がかかる漢字を先につぶせる!

「先取り学習しなければ、漢字の勉強をさせなくてもいいじゃないか」という考えもあると思います。実際、どの科目もその学年までに習う漢字しか使いませんしね(習っていない漢字にはルビがふってあります)。

しかし、漢字を覚えるのに、案外、時間がとられるので、先取り学習として漢字の勉強をさせるのも1つの手だと思います。
小3までは「漢字を覚える時間」を確保しやすいのですが、小4以降は他の科目もあって次第にキツくなっていってその時間をとりにくくなりますし。
「子どもは暗記が得意だから大丈夫!」と思うかたもいるかもしれませんが、リアルな天才を除いて、記憶にかかる時間はそれほど変わりません。過信は禁物だと思います。

まとめると、漢字の暗記は、案外、時間がとられるので、先取り学習しておいたほうが後々楽になります。

中学受験における漢字検定のデメリット

何事もメリットがあればデメリットもあります。ここでは中学受験における漢字検定のデメリットを紹介します。

中学受験における漢字検定のデメリットは「油断」

漢字は使わないと忘れます。
当たり前のことなのですが、特に子どもに漢字検定の勉強させている親のブログを読むとそれを忘れてしまっているのだろうな、と感じることがあります。
なぜ、この当たり前のことを忘れてしまうのでしょうか。

「漢字検定5級(小6相当)、合格した!」

こうなれば、どう思いますか。
つぎのように思うのではないでしょうか。

・難しいこと(小6)ができたのだから、かんたんなこと(小2)もできるだろう。

しかし、これは算数などの積み重ねの科目に限った話です。
画数が多い漢字を覚えているからといって、画数が少ない漢字を覚えたままなのかというと、そうではありません。

それに、小6相当は1,000字ほどあります。
漢字検定の試験のときは1,000字のうち、ごく一部を書くだけなので、ほかの大部分の漢字を覚えているかどうかまではわかりません。
※確率の問題なのですが…。

というわけで、漢字検定のデメリットは「合格すると油断が生じる」です。

漢字だけ覚えても仕方がない

漢字検定は、アルファベット順に掲載されている英単語帳にて1ページ目から英単語を覚えていくようなものです。
漢字は覚えることができても、文のなかでどのように使われるのかまではわかりません。
また漢字の先取り学習が進むと、日常生活ではあまり見かけない漢字もでてきます。
ひとは使わない知識はすぐに忘れます。

というわけで、漢字だけ覚えさせても「使い方がわからない」「使わない」ですぐに忘れるのではないか、と考えています。

言葉は背景知識がないと覚えられない

「共働き」

この言葉を理解するには「なぜ働くのか?」「なぜ男性だけ働いていたのか?」「男女平等とは何か?」なども知らないといけません。
つまり、「共働き」という言葉を理解するためには、その背景も知っておく必要があります。

しかし、小さな子どもは圧倒的に物事を知りません。
「共働き」という言葉を教えるために「なぜ働くのか?」からはじまって…と、とても時間と手間がかかります。また、それを教えているときに「え? これも知らないの?」があって、その説明をしないといけなくなります。
何より小さな子どもは一回教えたら理解できるわけではなく、一生懸命説明しても、数日もすれば「共働きって何?」となります。

理解なくしては、すぐに忘れます。

というわけで、背景知識がない子どもに言葉や漢字を覚えさせても、すぐに忘れると思います。

漢字検定のタイミングは難しいかもしれない

前述の通り、漢字の暗記には、案外、時間がとられます。
算数や国語に加えて理社の暗記も、という小4以降だと、漢字検定の勉強はすこし遅いかもしれません。
かといって、はやくからはじめると「使わない」「背景知識がないので意味がわからない」で、すぐに忘れてしまうと思います。
漢字検定の勉強のタイミングは難しいかもしれませんね。

漢字を先取り学習すれば「忘却」の対策が必要かもしれない

漢字は使わないと忘れてしまいます。
漢字の先取り学習をする場合は、漢字を覚えさせるだけではなく、国語の読解問題などとあわせて勉強させるなど「忘却」への対策も立てるといいかもしれません。
この辺は人それぞれの戦略があると思うので、「漢字を忘れないようにするにはどうすればいいんだろう」と考えるのもいいかもしれませんね。

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