親塾の難易度が高い理由(中学受験)
親塾だと教育費がかなりおさえられますし、うまくいけば子ども本来の実力まで学力をあげることができます。また塾を往復する時間がそのまま自由に使えるので(うまくやれば)睡眠時間を削ることもありません。
しかし、難易度は高いです。
何が難しいのでしょうか。
2.反抗期になれば親塾はできない。低年齢の子どもに教えるのは難易度が高い
3.受験算数の特殊性が親塾の難易度をあげている!
3−1.受験算数と数学の解法はまるでちがう
3−2.受験算数の解法のちがいで子どもが混乱する
3−3.うちは受験算数と数学の解法のハイブリッド!
4.親は「現時点で解ける必要はない問題」を見極められない
5.親塾のメリットとお勧めできるケース
親塾はものすごく手間暇がかかる!
親塾はものすごく手間暇がかかります。
まずは、勉強面。
国語は特に何もしなくても教えられますが、ほかの科目は勉強しないと教えられないのではないでしょうか。
・たとえ中学受験を経験していても受験から時間ずいぶん経っているので、すっかり忘れている。やりなおさないといけない。しかも、算数、国語、理科、社会がある!
・難関校だと大人でも難しいと感じる問題もある。
・つぎのように自分が学生のときに習ったものとちがうものもある。
<例>
・わたしの時代 → 高床式倉庫、竪穴式住居、縄文式土器、弥生式土器
・今 → 高床倉庫、竪穴住居、縄文土器、弥生土器
相当、労力がかかると容易に想像できると思います。
つぎに、休み。
「今日はしんどいから親塾を休もう」と思っても、(当たり前ですが)代講を頼めるひともいませんし勉強が遅れるのでやらざるを得ません。
つまり、「勉強しないと…。算数のつぎは社会か。しんどい…」「休みたいけど休めない…」が、数年間、続きます。
親塾は継続するのは大変という意味から難易度が高いといえます。
反抗期になれば親塾はできない。低年齢の子どもに教えるのは難易度が高い
子どもが反抗期になれば嫌がって親塾はできません。
つまり、親塾は小学生までの期間限定となるので、必然的に低年齢の子どもに教えることになります。
で、年齢だけに着目すれば、教える難易度は年齢が下がれば下がるほど高くなります。
・大人(有料のセミナー) → 真剣に静かに聞く。自ら学ぼうとする
・子ども → 年齢が下がれば下がるほど、「教わりたい!」「やるぞ!」という気持ちがなくなりやる気も乏しくなる。きちんと座っていることもできない子どももいる
それに加えて低年齢の子どもには、「思考の癖」もあります。
(例)小さな子どもは大人に比べて記憶力がかなり良い。しかし、成長とともにほとんど忘れる
→小さな子どもは何でもかんでも簡単に覚えるので、「できるようになった!」と勘違いしてしまう。成長とともに忘れてしまい、学力と思っていたものがなくなる
→こういうものを加味して教えないといけない
もちろん、小さな子ども相手でも計算、漢字など難易度が低いものだと教えられます。
しかし、そのくらいの差だとすぐに追いつかれてしまいます。
難易度の高い問題までしたいところですが、低年齢の子どもに難しい問題まで教えるのは難易度が高く腕が必要です。
受験算数の特殊性が親塾の難易度をあげている!
受験算数の特殊性も親塾の難易度をあげています。
どういうことでしょうか。
受験算数と数学の解法はまるでちがう
中学受験の算数(受験算数)と数学の解法はちがいます。
ゆえに、中学受験を経験していない場合、受験算数を独学しないといけません。
「数学で教えればいいじゃないか!」
そう思われるかもしれませんが、難関校ともなると数学では解きにくいように作問されているので合格は遠のくと思います。
それに、小さな子どもにとっては「数学の解法はわかりにくい」「算数の解法だとわかる」なので、数学だけで教えるのは学習効率が良くありません。
というわけで、中学受験未経験の場合、受験算数を勉強しないといけなくて大変という意味で親塾は難易度が高いといえます。
受験算数の解法のちがいで子どもが混乱する
たとえ、受験算数の解法を知っていたとしても、通塾したとき、解法のがちがいから子どもが混乱する可能性があります。
・鶴亀算には面積図で教えるか、表で教えるかなどがある
・親塾では表で教える
・塾では面積図で習う
→子どもが混乱する可能性がある!(別解として理解できるほど思考力が育っていない)
塾にあわせて教えればいいのですが、「うちの塾ではこの解法!」のようには公開されていないのでできません。
そのようなことを加味して教えないといけないという点から、親塾の難易度は高いといえます。
ちなみに、うちは受験算数と数学の解法のハイブリッド!
算数の解法で教えようとはしていますが、わたしは中学受験未経験で算数を教わったことがないので算数の解法で教え切れていません。
数学の解法で教えているものもあります。
算数と数学のハイブリッドなわけですね。
(例)〇で割ると△余り、□で割ると×で余る…。
→立式、modで解かせている(数学の解法)
もっとも、例は以下です。
・教えはじめは算数の解法(いきなりmodは無理なので、小2の娘も今は算数の解法)
・算数の解法だと、「めんどくせー」となって数学の解法になった 笑
ただ、うちの場合、塾に合流するとしたら、小6。
そのときには算数・数学の思考力が育っていて算数の解法を別解として処理できるようになっていると思うので影響はないと考えています。
が、小4、小5から通塾させる場合は悪影響があるでしょうね。
親は「現時点で解ける必要はない問題」を見極められない
市販の問題集には現時点で解ける必要がない問題が混じっています。積み木でたとえると、まだ3段目を積んでいるときに「10段目を積みなさい」という問題が出てくるようなものです。
プロならば「いずれ勉強する。今の時点で解けなくても問題ない」と飛ばす判断ができますが、親はそれができないと思います。
この判断ができないと、どうなるのでしょうか。
小さな子どもは記憶力がスゴイので、写経のように繰り返し書かせていると何でも覚えます。つまり、東大の問題の解答でも覚えてしまうわけですね。
それをもってして、東大の数学が解けるようになった、といえばどう思いますか?
「意味なくね?」
そう考えるのではないでしょうか。
それと同じ。
現時点での子どもの思考力を超える「今の時点で解けなくても良い問題」を解かせると、子どもは解法を丸暗記します。
つまり、先ほどの東大の数学の問題を丸暗記したのと同じく「そんなことをしても意味なくね?」となります。
わたしは常日頃から「算数・数学の思考力を育てることが大切」と書いています。
親がそれを育てられればいいのですが、難易度が高くできないひとが多いと思います(たいてい解法の丸暗記になると思います)。
そういう意味で親塾の難易度は高いと思います。
ちなみに、算数の場合はトップレベル問題集(小4)でその手の問題をよく見かけます。
親塾のメリットとお勧めできるケース
前述した通り、親塾は難易度は高いです。
しかし、つぎのメリットもあります。
・教育費がかなりおさえられます。実際、我が家は高校数学まであわせても40万円はかかっていないと思います(通塾する場合は100〜300万円)。
・うまくいけば子ども本来の実力まで学力をあげることができます。
・塾を往復する時間がそのまま自由に使えるので(うまくやれば)睡眠時間を削ることもありません。
・親子の絆になります。
つぎのようにできるひとは親塾をしてみてはいいのではないでしょうか。
・親が腕に自信があるのなら、どんどん親塾!
自信がない場合は、大金を積んでプロを雇って親塾の代わりをしてもらうといいかもしれないですね。
腕もお金もない場合は、無理せず塾のカリキュラムにあわせるのが一番ではないでしょうか。
それで難関校に合格している子どももいるわけですから。