低年齢からはじめる中学受験対策。家庭学習で使われている国語の問題集
中学受験といえば算数ですが、国語はあらゆる学問の土台となる科目なので勉強しておいて損はありません。
そこで、ここでは家庭学習で使われている国語の問題集や参考書を、子どもたちで試した結果を交えて、紹介しています。
2.まずは教科書レベルのドリルを解かせよう!
2−1.教科書レベルのドリルの分類と難易度
2−2.どのようなドリルがあるのか?
2−3.未就学児には「ひらがな」と「カタカナ」の練習でも使える!
2−4.教科書レベルのドリルで先取り学習する場合の注意点
3.教科書レベルの次に解くと良い読解の問題集!
3−1.ただし、中学受験で難関校を目指す家庭は飛ばしてもいいかもしれない
3−2.定番の読解の問題集
4.国語の学習が進めば解かせたい問題集
4−1.国文法をおさえられる定番の国語の参考書
4−2.まずは、漢字のドリルを利用しよう!
4−3.漢字の学習が進めば効率的な学習法を確立しよう!
4−4.漢字のドリルのつぎに利用したい問題集
5.中学受験で難関中学を目指す場合の定番の国語の問題集
5−1.「最レべ」「ハイレベ」「トップクラス問題集」「トップクラス問題集(徹底理解編)のちがい
5−2.いきなり定番の国語の問題集が難しい場合
5−3.難関校を目指す場合に利用したい、語彙力で定番の問題集
5−4.難関校を目指す親にお勧めの国語の参考書
低年齢の子どもに国語を教えるのは無駄なのか?
「低年齢の子どもに読解の問題を解かせても意味がない!」
このように言う教育者やプロもいるようですが、真っ赤な嘘です。
実際に親塾をしてみたら、つぎのようになりましたから。
・娘が年長のとき、たった1か月半の国語の特訓で、全国統一小学生テストの小2の過去問で偏差値50ほどになる
・娘は成長して小1になる。小4の駿台浜学園の模試にて偏差値47ほどだった
なぜ、教育者やプロのなかに「意味がない」などと言うひとたちがいるのでしょうか。
単にそのように言うひとたちに教える能力がないだけです。ご自身の無能さを子どもの能力の責任にしているだけです。
教えかた次第で小さな子どもにも国語力をつけることができますし、中学受験を視野に入れているのならば小さなころから国語を学習させておいて損はないと思います。
というわけで、ここでは家庭学習で使われている国語の問題集を紹介していきます。
まずは教科書レベルのドリルを解かせよう!
「教科書なんて、かんたんすぎる」
そう考えていきなり難しい問題集を着手したくなる気持ちもわかりますが、小さな子どもは大人が思う以上に何もわかっていません。
まずは教科書レベルのドリルを解かせることをお勧めします。
というわけで、ここでは教科書レベルのドリルについて書いています。
教科書レベルのドリルの分類と難易度
書店で見かける教科書レベルのドリルは、つぎの3つに分類できます。
国語は「読み」「書き」「漢字・語彙」といわれていますが、その通りの分類ですね。
(読み)文章の読解
(書き)作文
(漢字・語彙)漢字や語彙
出版社によって異なりますが、文章の読解は「やさしめ」、作文は「手ごたえあり」だと思います。
というわけで、国語が苦手な子どもは文章の読解のドリルからはじめる、国語が得意な子どもは作文からはじめるのように工夫するといいでしょう。
どのようなドリルがあるのか?
たとえば、つぎのようなドリルがあります。
(例)書店でよく見かける、くもんのドリル
(読解)1年生の文しょうの読解
(作文)1年生の文しょうの書きかた
(語彙)1年生の言葉と文のきまり
(読解)2年生の文しょうの読解
(作文)2年生の文しょうの書きかた
3.2年生の言葉と文のきまり
(読解)3年生の文章の読解
(作文)3年生の文章の書き方
(語彙)3年生の言葉と文のきまり
(語彙)小学ドリル3年生の漢字
ほかにも、つぎのようなドリルもあります。
このドリルは、問題文が短くて設問もほぼ本文から抜き出すだけなので、本当に5分で解けると思います。
また、問題を1枚ずつ切り離せるので便利です。
「朝起きたら5分だけ勉強させる」「国語が苦手なので、問題文が短いものから解かせる」のような使い方ができると思います。
・小1国語 文章読解 (早ね早おき朝5分ドリル)
・小2国語 文章読解 (早ね早おき朝5分ドリル)
・小3国語 文章読解 (早ね早おき朝5分ドリル)
それ以外にも、つぎのようなドリルもあります。
ロジカルでもなんでもなく、くもんにありがちな抜き出すだけの設問が中心ですが、教科書レベルをおさえるのにはいいと思います。
・くもんの読解力を高めるロジカル国語小学1年生
・くもんの読解力を高めるロジカル国語小学2年生
・くもんの読解力を高めるロジカル国語小学3年生
ほかにもドリルは大型書店にいけばたくさんあるので、実際に手に取って中身を見てから、どの出版社のドリルにするのかを決めるといいでしょう。
未就学児には「ひらがな」と「カタカナ」の練習でも使える!
娘は年長のとき、小1の読解ドリルを解かせました。
その目的は、主に「ひらがな」「カタカナ」の習得。
言葉は実際に使わないと習得しにくいものなので、「ドリルを解かせる=実際に使う」としたわけですね。
ただ、もちろん、ある程度、ひらがなとカタカナを覚えさせたうえでドリルを解かせました。ほとんど覚えていない状態で読解のドリルを解かせてもあまり効率は良くないと思います。
教科書レベルのドリルで先取り学習する場合の注意点
家庭学習だと好きに教えられるので、たとえば「読解だけ先取り学習する」のようなこともできます。
ただ、学年が上がれば上がるほど必要な漢字・語彙は増えていきます。
漢字や語彙がネックになって先取り学習は難しくなるので、漢字や語彙を先行させるといいかもしれません。
もっとも漢字や語彙をあまりに先行させると途中で意味がわからなくなって効率が悪くなるのですが…(詳しくは別のページに書いています)。
教科書レベルの次に解くと良い読解の問題集!
教科書レベルの読解の問題集は本文から抜き出すだけなので、すぐにつぎのようになります。
・子どもは棒線部の近くに答えがあると気がつく
・ロクに問題文を読まずに答えるようになる
そこで、教科書レベルのドリルをサクサク解けるようになれば、すこし難しい問題集にもチャレンジさせるといいでしょう。
というわけで、ここではすこし難しい問題集を紹介します。
ただし、中学受験で難関校を目指す家庭は飛ばしてもいいかもしれない
ここで紹介している問題集は、後述の「中学受験の定番の問題集」にある、標準問題、もしくはそれよりも易しめの問題くらいの難易度です。
国語が得意な子どもには物足りないかもしれません。
子どもが物足りなさそうにしていれば、後述の「中学受験で定番の問題集」をいきなり利用したほうが効率的のこともあると思います。
後述の問題集を解かせて子どもが難しすぎるといえば、ここで紹介している問題集に戻ればいいわけですしね。
定番の読解の問題集
定番の国語の問題集といえば、『Z会グレードアップ問題集』ではないでしょうか。
低学年向けなのに詩があたったり、音読させたりと、すこし疑問を感じる問題もありますが、単なる抜き出しの問題ではないので教科書レベルのつぎに勉強させるといいでしょう。
・グレードアップ問題集 小学1年国語 読解(小1)
・グレードアップ問題集 小学2年国語 読解(小2)
・グレードアップ問題集 小学3年 国語 読解 (小3)
それ以外にも受験研究社の問題集もいいと思います。
うちはすぐに下記にあるハイレベ、トップクラス問題集 徹底理解編を利用したので、解かせていませんが、がっつり読解の問題を解かせるにはいいと思います。
・小学1年 標準問題集 国語読解力: 3ステップで実力アップ!!
・小学2年 標準問題集 国語読解力: 3ステップで実力アップ!!
・小学3年 標準問題集 国語読解力: 3ステップで実力アップ!!
ほかにも、がっつり読解の問題を解ける問題集もあります。
・小学 基本トレーニング 読解力12級(小1): 30日で完成
・小学 基本トレーニング 読解力11級(小2上): 30日で完成
・小学 基本トレーニング 読解力10級(小2下): 30日で完成
・小学 基本トレーニング 読解力9級(小3上): 30日で完成
・小学 基本トレーニング 読解力8級(小3下): 30日で完成
つぎの問題集は読解だけではなく、主語・述語などの「言葉のきまり」、要約に必須の「文章のまとめ方」もすこしだけ学べます。
・1日1回すらすら読解 小1
・1日1回すらすら読解 小2
・1日1回すらすら読解 小3
他にもいろいろあるので大型書店にいって見てみるといいでしょう。その際、設問を見て抜き出しかどうかを確認しましょう。
国語の学習が進めば解かせたい問題集
教科書レベルより難しい問題集を解かせはじめた段階で、国文法や語彙力の問題集を利用するといいでしょう。
ここでは定番の国文法や語彙力の問題集を紹介します。
国文法をおさえられる定番の国語の参考書
読解の問題集と並行して国文法をおさえましょう。
ここでは国文法を学べる定番の問題集を紹介します。
まずは出口式。
・はじめての論理国語 小1レベル
・はじめての論理国語 小2レベル
・はじめての論理国語 小3レベル
本は厚く見えますが、内容はスカスカです。
ただ、国語の基礎が勉強できるので3冊とも買って子どもにさせることをお勧めします。
つぎに、福嶋式。
・ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集(小学生版ベーシック)
・ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集
・ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集[小学生版]
ちなみに、わたしは出口式しか買っていませんが、出口式、ふくしま式ともに定番の問題集として有名です。
まずは、漢字のドリルを利用しよう!
漢字の学習をしないと、読解や作文のドリルで先に進めなくなります。
そこで、最初のうちは、学年別のドリルや問題集を使って漢字を覚えさせていくといいでしょう。
ただ3つ気をつけることがあります。
漢字は使わないと、誰でもすぐに忘れる!
漢字を覚えても、使わないとすぐに忘れます。
これは誰にでも起こる得ることなので、「前に覚えたじゃない!」「これで何度目?」などと怒らないようにしましょう。
「10回くらい出てきたときまでに、覚えていればいい」くらいの気持ちでいるといいと思います。
漢字は使いかたをセットで覚えないと意味がない
英語学習では「英単語だけを覚えても意味はない。英文でどのように使われるのかをセットで覚えよう」と言われています。
それと同じです。
漢字だけを覚えさせても、あまり意味はないと思います。
読解のドリルも進めて、文章の中でどのように使われているのかの理解とセットで覚えさせましょう。
漢字の学習が進めば効率的な学習法を確立しよう!
英語の勉強をしてきたかたは多いと思いますが、英単語の暗記ではつぎのような学習法は推奨されていないと思います。
※ちなみに、わたしが学生のころは、これがスタンダードでした。
「アルファベット順に英単語が掲載されている英単語帳や、英文での利用頻度が高いものを集めた英単語帳を買ってきて、1ページ目から覚えていく」
ふつうは「語源」「同じグループで分類」など、記憶のメカニズムを考えて構成されている英単語帳を使うと思いますし、上記のような英単語帳を使うにしても記憶のメカニズムを考えて工夫すると思います。
さて、漢字のドリルですが、はじめのうちは学年別のドリルを使うと思います。
その方が効率的ですし、親も楽ですから。
ただ、この手のドリルは、利用頻度が高い、かんたんな漢字から順番に掲載されているだけで、何の工夫もされていません。
子どもがある程度、漢字を覚えてきたのに、学年別の漢字ドリルのままだと効率が悪く、子どもの負担増につながると思います。
そこで、うちはつぎの問題集を購入しました。
※小2の息子は漢字が好きで、そこそこ漢字を覚えています。
この問題集、最初のほうだけですが「曜日の漢字」「食べる、飲む、料理するの漢字」のように、漢字をグループごとに覚えられるようになっています。
関連するもので覚えるといいと言われているので、子どもも記憶しやすいのではないでしょうか。
また「漢字が大きい」「書き順がわかりやすい」ので、子どもだけで勉強させやすい構成になっています。
ほかにも、まだ購入していませんが、つぎの問題集もコンセプトがいいな、と思いました(英語学習ではこの手の参考書があります)。物語が子どもに合う、合わないがありますが、もし子どもが気に入れば何度も読むことで漢字力を高められるのではないか、と思います。
ちなみに、漢字の成り立ちを解説しているものもあります。
そういう問題集を利用するのもいいかもしれません。
漢字のドリルのつぎに利用したい問題集
漢字ドリルが一通り終われば、つぎのような難易度がやや高い問題集を利用するといいでしょう。
・Z会グレードアップ問題集小学1年国語 漢字・言葉(小1)
・Z会グレードアップ問題集小学2年国語 漢字・言葉(小2)
・Z会グレードアップ問題集 小学3年 国語 漢字・言葉(小3)
難関中を目指すならば、さらに難しい問題集を利用するといいと思います。
中学受験で難関中学を目指す場合の定番の国語の問題集
難関中学を目指す場合の定番の問題集は以下です(算数と同じです)。
<ハイレベ>
・ハイレベ100小学1年こくご
・ハイレベ100小学2年国語
・ハイレベ100小学3年国語
・ハイレベ100小学1年読解力
・ハイレベ100小学2年読解力
・ハイレベ100小学3年読解力
・ハイレベ100小学1年かん字
・ハイレベ100小学2年かん字
・ハイレベ100小学3年漢字
<トップクラス問題集(徹底理解編)>
・トップクラス問題集こくご小学1年―中学入試をめざす 徹底理解編
・トップクラス問題集国語小学2年―中学入試をめざす 徹底理解編
・トップクラス問題集国語小学3年―中学入試をめざす 徹底理解編
<最レベ>
・最レベこくご問題集小学1年―段階別
・最レベ国語問題集小学2年―段階別
・最レベ国語問題集小学3年―段階別
<トップクラス問題集>
・トップクラス問題集 こくご 小学1年
・トップクラス問題集 国語 小学2年
・トップクラス問題集 国語 小学3年
同じような問題集なので、学年ごとに1冊で十分です(どのように違うのかは後述します)。
「最レべ」「ハイレベ」「トップクラス問題集」「トップクラス問題集(徹底理解編)」のちがい
奨学社の「最レべ」「ハイレベ」、文理の「トップクラス問題集」「トップクラス問題集(徹底理解編)」は何が違うのでしょうか。
「難易度」です。
<難問が多い>
・最レベ、トップクラス問題集
<上記に比べると難問は少ない>
・ハイレベ、トップクラス問題集(徹底理解編)
※前述したように難易度がちがうだけなので、それぞれの学年で、いずれか1冊で構いません。
うちはハイレベにしました(国語と読解力)。ドリル形式で使いやすいためです。
いきなり定番の国語の問題集が難しい場合
前述の問題集、学校でしか勉強してこなかった子どもにはかなり難しくて親が教えたとしても身につかないと思います。
その場合は、どうすればいいのでしょうか。
つぎのように、じわじわと難易度をあげていくといいでしょう。
<難易度が低い順>
1.教科書ドリル
2.教科書レベルよりやや難しい問題
3.最レべ、トップクラス問題集など
ちなみに、上記1、上記2ともに前述した通りです。
難関校を目指す場合に利用したい、語彙力で定番の問題集
国語は語彙力が大切です。
つぎの問題集が好評ですが、うちにはまだ早かったようで書棚にいれたまま利用していません。
今後利用すると思いますが、そのときにレビューを書きたいと思います。
難関校を目指す親にお勧めの国語の参考書
難関中学校を希望している親向けの参考書では、以下が有名です。
受験のテクニックが網羅的に掲載されている、中学年、高学年向けの良書です。
子どもだけでは使いこなせないので、親が読んで、子どもに教えるといいでしょう。
ちなみに、この本は免許更新のときにもらえる「交通の教則」みたいな感じです。
※ご存知の通り、交通ルールが詳しくのっている小冊子です。
交通の教則にあることを使いこなせば事故を起こす確率は低くなるのと同じで、使いこなせれば国語の偏差値はあがりそうな感じでしたが――。
1.交通の教則を使いこなせるひとは少ない。交通の教則を「覚える」と「使いこなせる」の間には「何か」がある。それを埋めるためには、この小冊子にある内容を覚えたうえで、運転の経験を積まないといけない
2.交通の教則の内容をあまり知らなくても、事故らないひとは事故らない
すなわち――。
・「何か」を習得しているひと → 「中学受験国語 文章読解の鉄則」を読んで覚えると偏差値アップ!
・「何か」がないひと → 「中学受験国語 文章読解の鉄則」を覚える → 使いこなせない → 偏差値はあがらない
いずれにしても、塾でわからないことがあれば親に聞いてくると思うので、子どもが小さいうちに買ってこの本で「親が」勉強しておくといいと思います。