2桁の足し算の筆算は瞬殺!

二年生で学ぶ「2桁の足し算の筆算」です。1桁の足し引きをしっかり練習させていて、また数の感覚が育っていれば瞬殺です。


2桁の足し算の筆算はすぐにできるようになる!

1桁の足し算を学習しました。
これから、足し算の筆算を学習しますが、1桁の足し算の練習をしていて、数の感覚が育っていれば、筆算の書き方を覚えるだけなので、1時間もあれば終わると思います。
もし、すこしでも苦戦すれば、1桁の足し算と、数の感覚の復習をしましょう!
ちなみに、1桁の足し算をしっかり勉強していて、数の感覚が育っていれば3桁、4桁の足し算の筆算も瞬殺です。概数や小数で困ることもないと思います(小数は慣れも必要ですが)。

<コラム>
小学校では、数の感覚を育てるための時間は割かないのに、「見直し算」「計算をはやくするテクニック」など、(この時点では)どうでもいいことを教えています。
「だから、概数みたいな、めちゃくちゃかんたんなところで、つまづく子どもがたくさんいるんだよ…」と思います。子どもに「算数は苦手」と苦手意識を植えつけているのが、現在の学校教育です。


なぜ、同じ位同士を足さないといけないのか教えよう!

まずは、位のカード(※)を作って、子どもの前に、つぎのように並べてください。
※紙に「一の位」「十の位」「百の位」と書いて切り取っただけのものです。



つぎに、数字カード(※)を取り出して、「45」を作らせてください。
この際、「4は10のカタマリが4つ。3は単なる3だよね」と確認してください。
※紙に「1」「2」「3」などと数字を書いて切り取っただけのものです。



そして、そのカードの下に、数字カードで「32」を作らせてください。
この際、「3は10のカタマリが3つ。2は単なる2だよね」と確認してください。



さて、ここで、つぎのようにズラして並べてください。
そして、「じゃあ、45+32を計算するね。こういう風に並べて、5と3を足してもいいと思う?」と聞いてください。



子どもがダメといってわかっていそうでも、理由を説明させてください。
わからなかったり、理由を説明できなかったりすれば、紙につぎの絵を描いて「5は単なる5。1、2、3と数えるよね。でも、3は10のカタマリの3だよね。10、20、30と数えるよね。ちがうものじゃないの? 足していいの?」と言ってください。



切り抜いたカードを、つぎのように並べてください。
そして「数字は一の位の数でそろえるんだ。こうすると十の位の数は十の位の数と、一の位の数は一の位の数と計算できるよね」と言ってください。



ここまで確認できれば、つぎのような流れで「45+32」の計算を説明しましょう。
なお、細かい話ですが…。説明するときは一の位からするのが筋ですが、十の位からにしてください。後述の「なぜ1桁から計算するのか、実体験でわからせよう!」の布石にしています。

・45の4は10のカタマリが4つ
・32の3は10のカタマリが3つ
→10のカタマリは「4+3」とあわせて7つある

・45の5は単なる5
・32の2は単なる2
→「5+2」とあわせて7つある

というわけで、「45+32は、十の位は4と3を足して7、一の位は5と2を足して7。だから、77」

これがわかれば、「34+21」と紙に書いて計算させてみましょう!
もちろん、なぜ十の位同士、一の位同士足さないといけないのかも説明させるようにしてください(子どもがつぎのように説明できればOKです)。

・34の3は10のカタマリが3つ
・21の2は10のカタマリが2つ
→10のカタマリは「3+2」とあわせて5つある

・34の4は単なる4
・21の1は単なる1
→「4+1」とあわせて5つある

いくつか類題を出してできたら、「21+33+12」を計算させてみてください。
※繰り上がりがない計算です。

つぎのように考えることができればOKです。

・21の2は10のカタマリが2つ
・33の3は10のカタマリが3つ
・12の1は10のカタマリが1つ
→10のカタマリは「2+3+1」とあわせて6つある

・21の1は単なる1
・33の3は単なる3
・12の2は単なる2
・「1+3+2」とあわせて6つある

これができれば、筆算の書き方を教えてください。

2桁の足し算の筆算を教えよう!

「こういう数字を並べて計算する方法を筆算というんだ。筆算は書きかたが決まっているから、教えていくね」と言って、つぎのように教えてください。

1.まずは、「+」と「線」を書きます。



2.そこに数字を書きこみます。



3.数字を書きこむときは、「カード」を意識します(カードを書く必要はありませんが、慣れないうちは書かせたほうがいいかもしれません)



4.数字を書きこんで計算しますが、一の位の数から計算します。

それでは、子どもに「72+14」を筆算で計算させてみましょう!

ダメな例です。

1.右(一の位)で数字をそろえていないのでバツ。





2.一枚のカードには、0〜9までしか入らないのでバツ。



つぎのようになりますね。
ただ、この際、一の位の数から計算しないといけないと言ってください。 子どもに教えてあげてください。



あとは、つぎの演習問題を筆算で計算させましょう!

つぎの計算を筆算でしてください。
(1)25+53
(2)17+81
(3)35+22
(4)65+24
(5)72+16

【目標】2桁のたし算を筆算で計算できる(繰り上がりなし)


なぜ1桁から計算するのか、体験させてわからせよう!

つぎは、繰り上がりのある2桁の足し算を計算させてみましょう。
今までの話がわかっていれば、何も教えなくてもできると思います。
なお、まずは、筆算は使わず、「10のカタマリ」で考えるように言ってください。

(問)24+38を計算してください。

子どもが答えたら、なぜそのような答えになったのかを説明させてみてください。
つぎのように言うと思います。
※このように言わせるために、前は10のカタマリから説明させました。誘導に乗らなかった場合、「10のカタマリから考えてみて」などと言うといいでしょう。

・24の2は10のカタマリが2つ
・38の3は10のカタマリが3つ
→10のカタマリは「2+3」とあわせて5つある

・24の4は単なる4
・38の8は単なる8
→「4+8」とあわせると12ある。12は「10のカタマリ1つ」と「2」。

「10のカタマリが『5+1』で6つ。それと2。だから、答えは62。

そして、つぎは「一の位から計算してみると、どうなると思う? 説明してみて」みたいに言ってください。

・24の4は単なる4
・38の8は単なる8
→「4+8」とあわせると12ある。12は10のカタマリ1つと2。

・一の位から10のカタマリが1つある
・24の2は10のカタマリが2つ
・38の3は10のカタマリが3つ
→10のカタマリは「1+2+3」とあわせて6つある

「10のカタマリが6つ。それと2。だから、答えは62。

子どもも、一の位から考えたほうがスマートだと気が付くと思います。
あとは、類題を作成して解かせるといいですよ!

ちなみに、ここは「一の位から計算する」と覚えさせてもいいのですが、こういう感じで、実際に体験させたほうがいいと、わたしは考えています。

繰り上がりがある足し算の筆算を教えよう!

繰り上がりのある2桁の足し算を筆算でできるようにしましょう!

(問)17+28を計算してください。

まずは、筆算を書かせてください。



そして「一の位から計算するんだったよね。7+8=15だけど、どうやって書けばいいのかわからないよね。こういうときは、つぎのように書くんだよ」と教えてください。



「あとは、今までと同じ」と言って、答えは45と教えてあげてください。



これができれば、あとは繰り返し練習問題を解かせるといいでしょう。

つぎの計算をしてください。
(1)28+55
(2)16+78
(3)37+29
(4)62+18
(5)74+19

【目標】2桁のたし算を筆算で計算できる(繰り上がりあり)

中学受験を攻略のトップページ