「10の補数」と「差のイメージ」を一度におさえよう
数字カードを使って、「10の補数」と「差のイメージ」を一度におさえる方法を解説しています。
1−1.10の補数を覚えることが大切!
1−2.物を使って、イメージを作ることが大切!
1−3.10の補数と差のイメージの1つを一度に学習!
2.差のイメージを固めよう!
3.積み木を使うと、差はイメージしやすい
4.交換ゲームで、たしあわせて●になる数を習得しよう
5.式から差がわかるようにしよう!
6.交換ゲームで、10の補数を自然に覚えさせよう
7.10の補数を式で書かせよう!
交換ゲームの2つの狙い
このページの交換ゲームには2つの狙いがあります。
それを理解してから、子どもと遊ぶといいでしょう!
※数字カードが手元にない場合は、「数字カードで、繰り上がりのない足し算を教えよう!」をご覧になってください。ほぼ無料、数分でつくれます。
10の補数を覚えることが大切!
10の補数とは、たとえば「1と9」「2と8」「3と7」「4と6」「5と5」のように足し合わせて10になる数のことです。
10の補数を覚えていれば、繰り上がりのある足し算と繰り下がりのある引き算の計算が速く、正確になります。
(例)8+6
1.8と2は10の補数と覚えていると、8に2を加えると10になるとすぐにわかる
2.「(8+2)+(6−2)」が頭に思い浮かんで「10+4=14」と瞬時にわかる
そろばんで暗算できる場合は10の補数を知らなくても問題ありませんが、そうではない場合は10の補数を覚えておくといいでしょう。
物を使って、イメージを作ることが大切!
算数はイメージが大切だと、わたしは考えています。
小さな子どもは、物が有効なので、物を使って「イメージ」を作りましょう。
また、イメージはいくつかありますが、一度に教えると消化不良になってしまいます。1つずつ、しっかり教えていくといいでしょう。
10の補数と差のイメージの1つを一度に学習!
このページの交換ゲームにはつぎの2つの狙いがあります。
・10の補数を自然に覚えられるようにする
・差の1つのイメージを定着させる
このページにあることを、しっかり練習することで、2つのことが一度にできるようになります!
ただ、子どもによって、発達の速度はまったく異なるので、「今のうちの子どもには難しいかも…」と思えば、成長を待つのも手です。無理は禁物です。
差のイメージを固めよう!
まずは、前につくった、つぎの紙を出してください。
※捨ててしまっていれば紙につぎのように書いてください。
そして、子どもの手元にその紙を置いて、空欄の片方に【3】のカードを置いてください。
自分の手元には【8】のカードを置いてください。
そして、子どもの手元の空欄のほうを指さして「(自分と)同じ数にするには、ここに、どの数字カードを置けばいい?」と聞いてください。
おそらく答えられないと思います。
そこで、【1】のカードをつぎのように置いてください。
そして、「【8】のカードは【1】のカード8枚と交換できるよね。【3】のカードは【1】のカード3枚と交換できるよね。だから、こういう風に置いてもいいよね」と教えてください。
ここで、つぎの図の赤線部を指し示しながら、「もしここに【1】のカードがあれば、(自分と)同じ数になるよね。何枚あればいい?」と聞いてください。
わからなくても大丈夫です。
つぎに、青線部を指さしながら「ここは同じだよね。ここをなくせば、(赤線部を指し示して)ここがわかるんじゃない?」と言ってください。
※「5」と答えれば、「どうやって考えたの?」と聞いてください。きっと答えられないと思うので、「これから説明するね」と言って、上記のことを説明してください。
そして、青線部をなくして、枚数を数えさせてください。
「5」枚ですね。
【1】のカード5枚を置いて、同じ数であることを示してください。
ここからが肝心です。
つぎのように言ってください。
・「ママ(パパ)の8枚から、×ちゃんの3枚をなくして、5枚になったんだよね」
・「8枚から、3枚なくすって、8枚から3枚を引くってことだよね」
・「これって、8−3だよね?」
「差」の概念ですが、なかなか理解できないかもしれません。
何回か教えてもポカンとした顔をしていれば、1.理解できるまで待つ、2.積み木で教えてみるといいでしょう。
まずは、上記1。
「何度、何度、何度、教えてもできなかったのに、時間が経つとすんなりとできる」
このようなことは多々あります。
特にこのページを読んでいるかたのお子さんは、未就学児だと思います(小学校一年生で学習することなのですが…)。
子どもによって発達の度合いがまったく異なるので、できなくてもまったく気にする必要はありません。
つぎに、上記2。
これは後述します。
積み木を使うと、差はイメージしやすい
机に青い積み木を4つ、赤い積み木を1つ積み重ねてください。
※説明しやすいように、赤と青にしていますが、色はなくても構いません。
横から子どもに見せて、「いくつちがう?」と聞いてみてください。
今まで数字カードで遊んできたわけなので、すぐに「3」と答えられると思います。
すかさず「1、2、3と数えなくても、青い積み木の4個から、赤い積み木の1個をなくせば3とわかるよね」と言いながら、青い積み木1個、赤い積み木1個をとってください。
そして「赤い積み木は4個」といって紙に「4」、「青い積み木は1個」といって紙に「3」と書いてください。
そして「青い積み木4個から赤い積み木1個をなくすわけだから『ひく』だよね」といって、紙に「−」を書いてください。
ひき算ができるので「=3」もわかると思います。
数字を変えて、これを繰り返してください。
そのうち、差の概念が理解できます。
<目標>
青い積み木と赤い積み木の数の「差」が「ひき算」で計算できる
<練習>
積み木の数を変えて、差をひき算で計算させる練習を繰り返してください。
交換ゲームで、たしあわせて●になる数を習得しよう
自分の手元に【7】のカード、子どもの近くに【1】から【9】までのカードをいくつも置いておいてください。
そして「たしあわせて7になるように、(子どもの手元に)数字カードを置いて」と言ってください。
今までのことができていれば、数字カードを置くと思います。今、子どもが【3】と【4】のカードを置いたとしましょう。
つぎは「【3】と【4】のほかにも、数字カードを置けるよ?」と言ってください。
このようにして、組み合わせがなくなるまで子どもに考えさせましょう。
<目標>
たしあわせて●になる数を言えるようにしましょう(できれば組み合わせぜんぶ)
<練習>
・自分の手元に【2】のカードを置いて、たしあわせて2になる数を言わせる
・自分の手元に【3】のカードを置いて、たしあわせて3になる数を言わせる
・自分の手元に【4】のカードを置いて、たしあわせて4になる数を言わせる
・自分の手元に【5】のカードを置いて、たしあわせて5になる数を言わせる
・自分の手元に【6】のカードを置いて、たしあわせて6になる数を言わせる
・自分の手元に【7】のカードを置いて、たしあわせて7になる数を言わせる
・自分の手元に【8】のカードを置いて、たしあわせて8になる数を言わせる
・自分の手元に【9】のカードを置いて、たしあわせて9になる数を言わせる
・自分の手元に【10】のカードを置いて、たしあわせて10になる数を言わせる
式から差がわかるようにしよう!
紙に「7=3+●」と書いてください。
そして、子どもに「●はいくつ?」と聞いてください。
わからないと思うので、数字カードを下図(左)のように置いてください。
そして、すかさず、「7にするために、3といくつ足せばいいのかってことだよね」といいつつ、下図(右)のように置きなおしてください。
先ほどの話がわかっていれば、すぐに「4」と答えます。
わからないようなら、つぎのように【1】のカードを使ってください。
これで、わかると思います。
わからないのならば練習不足です。今までのことをしっかり練習しましょう。
<目標>
「7=3+●」の●が、ひき算で計算できる
<練習>
つぎの計算をさせてください。
※たとえば「3=1+●」になっていますが、「3=●+1」「1+●=3」「●+1=3」と数字などをいれかえた問題もさせてください。順番をかえただけで、できなくなる子どもがたくさんいるためです。
・2=1+●
・3=1+●
・3=2+●
・4=1+●
・4=2+●
・4=3+●
・5=1+●
・5=2+●
・5=3+●
・5=4+●
・6=1+●
・6=2+●
・6=3+●
・6=4+●
・6=5+●
・7=1+●
・7=2+●
・7=3+●
・7=4+●
・7=5+●
・7=6+●
・8=1+●
・8=2+●
・8=3+●
・8=4+●
・8=5+●
・8=6+●
・8=7+●
・9=1+●
・9=2+●
・9=3+●
・9=4+●
・9=5+●
・9=6+●
・9=7+●
・9=8+●
・10=1+●
・10=2+●
・10=3+●
・10=4+●
・10=5+●
・10=6+●
・10=7+●
・10=8+●
・10=9+●
交換ゲームで、10の補数を自然に覚えさせよう
あとは、たしあわせて10になる数を作らせましょう。
繰り返し練習することで、10の補数を覚えつつ、差のイメージの1つも身につきます。
<練習>
・自分の手元に【10】のカードを置いて、たしあわせて10になる数を数字カードで作らせる
10の補数を式で書かせよう!
定期的に、つぎの●と▲の組み合わせを紙に書かせましょう。
<練習>
・10=●+▲
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